ドリルねじの誕生|ねじの基礎知識講座|ねじJAPAN

Vol.15 ドリルねじの誕生

事故なく適正なトルクで締めつけるためには、相手の下穴、ねじ形状などが大切とお話ししました。
大量生産の時代には、エアードライバーや電動ドライバーでの、手締めが多く、女性の作業者でも一日に4.000本〜6.000本のねじ締め作業を行いました。この作業が毎日続きますから、「腱鞘炎」(けんしょうえん)と言う、手がしびれる症状が出てきました。
ねじ業界の方は、売るだけで実際に一日中ネジ締め作業をされたことは殆どないと思います。
2〜3時間でイヤになります。労災の対象になる「腱鞘炎」に対処するために、「軽いトルクでネジ締め出来るタッピンねじ」が登場します。

この代表的なねじが「タップタイト」と言う米国からの特許製品でした。
図1の様に、ねじの断面形状が円ではなく、オニギリ形(三角形)タップタイト になっています。
相手材の下穴(丸穴)に、オニギリ形(三角)の山でタップを切っていくので、軽く手にも負担をかけない作業が出来て大量に使われる様になりました。

タップタイト

(図1 タップタイト)

その後、各ねじメーカーは独自の形状を開発し、トルク軽減に寄与しています。
更にスピードアップするために、ドリルとタップと小ねじの機能を全て備えた、画期的なねじが登場します。
これが「ドリルねじ」です。

ドリルねじ

(図2 ドリルねじ)

先端がドリルになっていて、相手材に下穴をあけ、ねじ部はタッピンねじになっているので、タップをたてながら締め込んでいきます。ねじ部をタップタイトにすると、より軽くネジ締めが出来ます。
先端のドリル形状も切削していましたが、最近は塑性加工が主流 になってきています。
ピンチポインターと呼ばれる機械で、ヘッダー後の軸部先端を両側から挟みこみプレス成型します。
そのプレス型の出来具合によって、ドリル性能が決定されます。 メーカーによっては様々な形状を工夫して発展させてきました。
石膏ボードなどの締結に多く使われており、釘を打つような速さで大工さんが大量に使っておられます。
ドリル形状の出来が悪いと、当然使いづらくなり、使用される方がプロ目線で見て、お眼鏡に叶う高性能な作業性のものを安価で提供しています。