十字穴つきのねじでの主な事故原因|ねじの基礎知識講座|ねじJAPAN

Vol.14 十字穴つきのねじでの主な事故原因

タッピンねじを使用する場合、前回説明しましたように適正な締めつけトルク、適正な下穴が非常に大切です。
しかしながら時折、使用中に事故が発生します。
色々な原因はありますが(事故が起こっては困りますが)十字穴(プラス溝)つきのねじでの主な原因を列挙しておきます。

寸法の特性による事故

図´
図図

十字穴(プラス溝)の過大、(図〇仮函暴住穴(プラス溝)底部と、頭の首下の肉厚(A) が薄くなり、締めつけると頭飛びの事故が起こる

頭高さ過小、(図∋仮函貌が異常に低いので、十字穴(プラス溝)が軸部に喰い込み同じく頭飛びの原因になる。

頭の首下の丸み不足(図参照)、首下にRを付けて締めつけ強度を上げているが、Rがなくなると弱くなる。

首下への完全ねじの喰い込み(図せ仮函砲海譴蘯鷁Rがなくなり、頭飛びの原因となる。

物理的な特性による事故

材料不良

熱処理不良

表面処理(メッキ)不良「別途専門家より説明あると思う」

圧造不良、種々原因はありますが、上記の十字穴(プラス溝)の問題、十字穴の偏芯等

使用条件に関する事故

図キ

下穴径、過小及び締めすぎ(オーバートルク)

介在物のバカ穴と、締めつける相手材下穴が喰い違っていて(ずれていて)ねじが斜めに入る。図

相手材が傾いている箇所に締め付けをすると座面(頭の裏側)に偏った負荷がかかり、頭飛びが発生する。 図

圧造、転造など塑性加工する場合、加工の 度合いが最も大きい部分で、破断、折れなどの事故が起こりやすくなります。材料の組織の流れを「ファイバーフロー」と 言います。材料を、何本もの繊維が集まったロープと考えてください。塑性加工により 急激に屈曲された部分は加工歪みが大きくなって、繊維が切れた状態になります。これを「フローライン切れ」と言い、ここから破断します。フローラインが1ヶ所に集中しないような予備成形を設定する必要があり、又不純物の少ない、結晶粒の細かな球状化焼鈍したキルド鋼を使用するのが良いでしょう。

ファイバーフロー

(図 ファイバーフロー)

このように「ねじ」の頭が飛ぶことは、締結した状態が出来なくなるわけで、その構造体が車や飛行機などの乗り物であれば、人命に関わる大きな事故につながります。
前回にお話したトルク設定一つとっても我々のような「ねじ」メーカーにとっては真剣勝負です。
先輩達からは「ねじの首が飛べば、お前のクビが飛ぶぞ!」と散々言い伝えられて来ています。
「ねじ屋」にとっては、素材選定から始まり、加工度合い、焼入硬度、表面摩擦、トルク設定に至るまで戦々恐々たる気持ちです。