簡単な小ねじの製造工程|ねじの基礎知識講座|ねじJAPAN

Vol.10 簡単な小ねじの製造工程

簡単な小ねじを作るのには、下図の様な製造工程で進行します。

小ねじの製造工程例

(小ねじの製造工程例)

基本的な「ダブルヘッダー」を、簡単に説明しましたので、次に「ねじ転造」の工程を紹介します。
ねじ山を成形するには、古くはねじ山を1ヶずつ、切削で加工していました。ねじを大量に使用する時代になって、「転造」と言う加工方法が開発されました。


(ローリングマシーン)

上の写真が転造する「転造盤」又は「ローリングマシーン」と呼ばれる機械です。
切削によって、ねじを作るのではなく、(Vol.7の記事の圧造と同じく)冷間塑性加工によって圧造します。
写真の右上にホッパーと言う箱があって、ここにヘッダーブランクを投入し、1本ずつレール上に整列させ、ねじ山を切った鋼製の「転造ダイス」又は「ローリングダイプレート」(図1)に送ります。

小ねじの製造工程例

(図1 転造のイメージ)

ダイプレートは、2枚1組に成っていて、片側は固定、反対側は移動する様に成っています。
ヘッダーブランクは、この2枚のダイプレートの間を、適当な圧力で押しつけられながら転がることによって、ブランクの表面にねじを成形する事ができ、文字の通り「転造」がピッタリの表現です。
転造ねじの特徴は、切削ねじと比較すると引っ張り強さが大きく、押しつけて、塑性加工によって作っているので、表面が硬くなっています。(加工硬化と言います)又、ダイプレートで連続生産しますからねじ精度の均一性が保てます。