材質SUS410 Pタイトビスを使用して溶融亜鉛板を樹脂に締め付けていました 製品を生産して約2年経過していままで問題なかったのですが、今回客先納入品でビス破断は発見されました 亜鉛メッキ板とビスの間に水滴が侵入していました 遅れ破壊現象と思いますがビスが破断するメカニズムが解りません
メーカで解析結果を持っておられたら教えて下さい
またいままで発生しなかったのはなぜでしょうか不思議です
ねじユーザー企業(技術者)
[回答]SUS410タッピンねじの破壊
結論からいうと隙間腐食による応力腐食割れ(SCC)でしょう。SUS410もステンレス鋼ではありますが不動態皮膜(クロムの酸化皮膜)が生成されて耐食性を得ることができるのですが,ねじ締結体のおかれた環境によっては(湿度が高い)毛細現象によって狭い隙間に水が浸入して隙間の中で復水(結露)します。この結露した水は周辺の大気から遮断されるため,酸素濃度が均一でなくなります。このような現象が起きると不導体被膜が溶けて(電解して),SUS410(主成分は鉄)がステンレスの機能を失ってしまいます。タッピンねじは使われているとき,ねじの谷に引張り応力が集中していますから,隙間で復水した中にあるNOx,SOx,Clが酸となってねじの谷へのアタックを加速します。小さな腐食孔があけば急速に腐食の進行と,水素の侵入が起きます。これがSCCであり,遅れ破壊もこの一形態です。今まで発生になかったのは,運が良かったものとおもいます。再発する可能性がありますから,塗装など隙間を塞いでください。
参考文献をご紹介しましょうか。
選択無し 2003-10-23 00:00:00
[回答]Re:遅れ破壊
松本様回答ありがとうございます
松本様の書かれたねじ締結”新”常識のうその本は購入してもっております違う文献ありましたらお教え願います
又材質を変更考えていますが 鉄+クロメート処理品は
SUSXM7のどちらかまよっております
出来ればアドバイス願います
質問者 2003-10-23 22:17:53
[回答]文献
1.藤井哲雄「金属の腐食/事例と対策」工業調査会,2002.
2.H.Mayer「ボルトはなぜ壊れる」日経メカニカル,日経BP,1997,9,26.
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松木啓介
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選択無し 2003-10-28 00:00:00
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