私共の社内において、製品に使用する六角穴つきボルトの締め付けトルクを規定するために、さまざまな条件下での軸力を測定していました。その際にボルト、めねじ、ワッシャー、座面すべてを脱脂した状態で軸力の測定をしたのですが、測定後にボルトを緩めようとしたところ、1/4回転程度したあと、ボルトを緩めることができなくなってしまいました。過去のログからするとねじが緩まなくなるというのはねじ面の焼きつきが原因であるとの回答が多いようなのですが、この場合もそうなのでしょうか?
このときの実験の条件は以下のとおりです。
六角穴つきボルト M10 ピッチ1.5および1
強度区分12.9 表面処理はSOB(黒染め)
めねじ S45C材にポイントタップにてねじ加工
表面処理は無し
ワッシャー S45C材にSOB処理
座面 アルミニウム(A2017−T4)表面処理は無し
部材はすべて工業用シンナーに浸漬した後乾燥。
座面とめねじで材質が違うのは、ワッシャーとねじの切ってある部材との間にカラーのような形でアルミ材をサンドイッチ構造にしてあるためです。
締め付けトルクは40N・m、ねじのかみ合い長さは約10mmです。
回答が可能な方、よろしくお願いします。
ねじユーザー企業(技術者)
[回答]緩めるときのかじり
1.ねじ面が無潤滑(ただしSOB付)で軸力測定しても実際の作業時(潤滑されるでしょうから)のトルクと軸力とを関係ずけるのは難しいのではないかとおもいますが、ともかく、めねじ側がタップ面でめくれ等があるとボルトねじのSOB皮膜は薄くて破れ、期待される潤滑性は効果がうすれるとおもわれます。
2. 緩めるときに齧ったのは上記1.の締め付け時に既にねじ面の齧りが発生し、緩め時に、ねじ噛み合い隙間で金属粉がスノーボールとなり詰まっている可能性があると思います。
3. 別の可能性は市販の転造ボルトのねじは許容範囲とはいえ多少のピッチのバラツキがあります。 ボルトねじの荷重が大きくなるとねじ山の倒れとボルトねじ部の伸びによるピッチの変化でねじの噛み合い部の一部分に軸荷重が集中することが観察されています。 特に雌ねじと雄ねじのピッチが不利な方向にずれている場合はこれが顕著になります。 雌ねじの下穴径が大きくしすぎると噛み合い干渉幅が小さくなりねじ面の面圧が高くなりより変形し易く、齧り易くなりますので、ねじの強度と軸力、またねじ面の仕上げ精度と潤滑が重要と思います。
4. その齧ったボルトを抜くときに、ボルト頭をハンマーで叩いて緩める時、抜けるに従って徐々に抜け易くなるのなら変形によるピッチのずれで、最後まで強くハンマーで叩かないと抜けきらないなら面荒れによる齧りの要素が強いのではと思います。 抜くときの様子も第一原因(誘発2次的でなく)を特定するのに大切な観察と考えます。
5.ご参考までに当方の HPサイトをご紹介いたします。 http://thanks22.cool.ne.jp/nac
選択無し 2002-11-23 00:00:00
[回答]Re:ねじが緩められなくなるという事象について
回答ありがとうございました。
緩めの際の状況は考慮していなかったので、今後は
そういった面も視野に含めて評価をしたいと思います。
どうもありがとうございました。
質問者 2003-02-07 08:54:46
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