ネジの十字穴には、M3以上ではH形とZ形がありますが、Z形の十字穴にH形のドライバを適用しても問題はないのでしょうか?Z形の十字穴はH形の十字穴に比べて
ドライバを差し込んだ時の遊び量が大きいです。
ねじユーザー企業(技術者)
[回答]ねじ用十字穴
まず、質問内容に『3mm以上ではH形とZ形がありますが、・・・』とありますが、JIS B 1111(十字穴付き小ねじ)の本体規格(ISO規格)にはM1.6〜M10までH(フィリップス)形とZ(ポジドライブ)形の両方が規定されております。ただし、実際に日本国内で流動している大多数の十字穴は、附属書に規定されているねじであり、H形の十字穴製品群(M2〜M8)です。私もZ形には、めったにお目に
かかりません・・・
話が横道にそれましたが、『Z形の十字穴にH形のドライバーを使用しても問題ないか』ですが、JIS B 1012(ねじ用十字穴)には、H形・Z形・S形と3タイプの十字穴が規定されており、各々形状・寸法・適用が異なりますので、実際の締付け作業においては専用の(十字穴に合致した)ドライバーが必要となります。
H形とZ形の形状的な大きな違いは、圧力面(締付け時にドライバー面と接触する面)の角度が、H形が若干開いているのに対し、Z形は、ほぼ垂直ですので、Z形の方がカムアウト(締付け時にドライバーが浮き上がる現象)しづらいと言う利点があります。
乱暴な例(経験談)で恐縮ですが、H形の3番の穴に2番のドライバーを入れた場合でも、締付けできないことはありませんが、ガタツキ(遊び)が大きく、適正な締付け状態を得ることは難しく、やはり、十字穴に合致したドライバーを使用する必要があります。今回のケースのZ形にH形のドライバーを入れた状態でも、何とか締付けはできるでしょう(これは未経験です)が、Z形の利点である、対カムアウトが損なわれ、Z形を使用する意味がなくなってしまいます。
選択無し 2002-06-25 00:00:00
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