316 316Lについて

SUS316のボルトを発注しようとしたところ SUS316Lのボルトになると ねじ商社さんから回答をいただきました 316に対して316Lの方が 入手しやすいのは なぜなのでしょうか? あとフレクションやヘッダーによって素材の組織に生まれるヒズミによる 耐腐食に対する影響はあるのでしょうか?削り出しで作ったボルトの方がやはり耐腐食については 良い結果がえられるのでしょうか
つまり316Lは冷間商品で既製品がありでまわっていますが316は受注生産になるという回答に対して 316Lの冷間品と316の切削品は 耐腐食にたいして どちらが優れた結果を得ることができるのですか?

ねじユーザー企業(一般)

[回答]市場性

ステンレス鋼ボルトメーカーとしての認識の範囲で回答させて頂きます。SUS 316とSUS 316Lの化学成分を対比して見ますと、それぞれ、C量が0.08%以下に対して0.030%以下、Ni量が10.00〜14.00%に対して12.00〜15.00%と違いがあります。CはCrと結合して粒界腐食を起こし易くなり、Niは耐食性と冷間加工性に影響を及ぼす添加元素に当たりますので、C量が低く且つNi量が高いSUS 316Lの方が、加工性と対粒界腐食を含めた耐食性が良い事になります。従いまして、圧造加工性の面から十字穴付き製品は勿論の事、ボルト用に関しましても、冷間圧造用ステンレス鋼線としてはSUS 316Lの方が一般市場性ある(入手し易い)鋼種との認識です。
また、冷間加工品のヒズミが耐食性に及ぼす影響についてですが、実際に比較したデータはありませんが、加工硬化によるヒズミは組織が内部変態を起こしたものであり、強加工をすると磁性を帯び、鉄粉などのもらい錆の一因にはなります。ただし、SUS 316LでJIS規格の六角ボルトを製造する程度では殆どもらい錆を起こすような磁性は帯びませんので、特に後でヒズミ取り(固溶化熱処理)をする必要はないと思います。当社では30年以上もステンレス製のねじを製造・供給していますが、ヒズミ取りをした実績もなく、特に問題となったことはありません。

選択無し 2002-06-20 00:00:00

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