SUS304製ドリリングねじの耐腐食性について

ドリリングねじは、材質SUS410が普通だと思いますが、SUS304相当(SUS305J1?)の材質に、浸炭焼入れ若しくは窒化処理したねじは、SUS410製に比べ、耐腐食性は本当に優れているのですか。
頭部、ねじ部の錆び、及び、隙間腐食による頭部破断の場合について、教えて下さい。

ねじユーザー企業(一般)

[回答]耐食性は・・・

SUS304相当品は熱処理ができないので、ドリルねじに使用できるほど硬くはなりません。従って、ご指摘のように窒化処理をして硬さを出すわけです。
ステンレスの耐食性は、クロムが酸素と結合し、表面に酸化クロムの被膜を作り、それにより内部が酸化するのを防ぐことにより、耐食性が保たれます。
しかしこのクロムは、酸素よりも窒素のほうが親和力が強いので、窒化処理した場合には、表面に十分な酸化クロムの被膜ができないので耐食性は劣ってしまいます。
これを防ぐには、窒化処理後になにかメッキを施すより方法がありません。従って耐食性はメッキの耐食性ということになりますし、ねじ込みの際にキズがついて、それらが脱落したら、耐食性は通常のSUS304相当品よりは劣ってしまいます。
当社には、ドリリングでき、耐食性も304並という材質で、ドリルねじを製造しております。
ご一報下されば、説明に伺います。

選択無し 2001-08-29 00:00:00

[回答]耐食性について

現在、ステンレス鋼のドリルねじはSUS410が多いと思われます。確かにこのSUS410については当社で熱処理を行っていますが、処理温度や材質の影響から硬化させても耐食性はほとんど劣化しません。但し、SUS304については浸炭焼入や窒化処理を行うと母材のクロム濃度が減少し、耐食性は劣化してしまいます(一部、低温のプラズマ窒化にてS層と呼ばれる化合物層を得れば耐食性は良好になりますが、低温域での処理のため時間的に化合物層が厚くなりにくいことや処理がバッチ式になるため、ねじへの適用は難しいと思われます)。但し、もともと耐食性の良好なSUS304が表面処理により耐食性が劣化したものと、SUS410の表面処理したものの耐食性の比較としては条件により変わってくるものと考えられますので、一度ご相談下さい。

選択無し 2001-09-07 00:00:00

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