No.321 [ねじの学び舎]ボルトと長ナットがかん合しません。|ねじJAPANニュース(メールマガジン)|ねじJAPAN

No.321|ねじJAPANニュース(メールマガジン)

このページでは、メールマガジン「ねじJAPANニュース」の過去記事を一部抜粋して紹介しています。掲載されている情報は配信当時のものです。

ボルトと長ナットがかん合しません。

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ねじの学び舎

「ねじの学び舎」は、ねじJAPAN発行「質問技術相談集」のQ&Aを取り上げるコーナーです。知識向上にお役立てください。

質問:ボルトと長ナットがかん合しません

アルミラックを組み立てております。
ボルトM6−L50と長ナットM6−L50を使用しております。
約40ミリ程度ねじ込むと止まってしまいます。
雄ねじ、雌ねじともにねじ精度に問題はありません。
原因を教えてください。

回答

ねじ精度はねじ山の形状寸法及び,角度・ピッチ等の許容限界寸法と公差が、ISO(JIS)規格で細かく、規格化されています。
問題は,M6ねじを40mmも、ねじ込む処にあります。
M6並目ねじのピッチは1mmです。
仮に雄ねじ、雌ねじのどちらかにピッチが10μ違いがあると、400μ(1×10×40)ズレが累積されてしまいます。
その結果、ねじかん合がストップしてしまう事が考えられます。

回答

雄ねじ、雌ねじともに問題がなければ、ピッチ誤差の集積されたことが原因です。
長ナットを半ねじ(ねじ長さ25.0mm程度)にすれば解決します。

編集後記

約9600億円の買収から見えるものとは

★約9600億円でモトローラ社を買収
今年8月グーグル社が携帯電話メーカーのモトローラ社を買収しました。
インターネット検索サービス企業のグーグル社が巨額の資金を投じてハードウェアメーカーを買収したことは買収金額の高さと共に衝撃を与えました。

多くの専門家は今回の買収劇の真意はモトローラが保有する特許技術にあると見ています。(1)
なぜ巨額の資金を支払って特許技術が必要だったのでしょうか?
今回はその点をご紹介したいと思います。

★世界中でスマートフォンの特許訴訟が勃発
今、スマートフォンの特許を巡る裁判でグーグル社を中心とするアンドロイド陣営とアップル社が世界中の23カ国で激しい法廷闘争を繰り広げています。

実際、下記に紹介するように最近だけでもアップル社がHTC社とサムスン社を、反対にHTC社とサムスン社もアップル社を訴えるなど激しさが増しています。
台湾のスマートフォンメーカーHTC社に対してアップル社が特許訴訟を起こしています。
なぜAppleはHTCをターゲットにしたのか? - 特許訴訟に隠された本当の狙い(マイコミジャーナル)

上記とは反対にアップル社から訴えられているHTC社もアップル社に対して訴訟を起こしています。
HTC、グーグルから譲渡された特許を根拠にアップルを提訴(CNET JAPAN)

ドイツではアップル社からの訴訟にサムスンが敗訴し、サムスン社のタブレット端末ギャラクシータブ10.1(Galaxy Tab 10.1)がドイツ国内で販売差し止めになりました。
訴訟合戦またアップルに軍配、サムスンのタブレット端末に販売禁止令(AFP通信)

これも上記とは反対にサムスン社が韓国でiPhone5を対象に訴訟を起こし韓国での販売停止に追い込もうとしているという話しが広がっています。
加えて、ヨーロッパでも同様の裁判を起こすという話しもあります。
サムスン、iPhone巡りアップルへの法的措置検討(ロイター通信)
サムスン、「iPhone 5」を標的とした新たな訴訟を検討(Computerworld)

そして私たち日本でもアップル社がサムスン社に対して損害賠償請求を起こしています。
米アップルが日本でもサムスン提訴、1億円の賠償請求(ロイター通信)

このように世界各地で訴訟が行われていることが分かります。
そして、これらの訴訟を有利に進めるためグーグル社は約1兆円もの巨額の資金投じモトローラ社が保有する特許を手に入れた、とされています。

★結局、法廷費用を払っているのは消費者では?
さて、なぜこれほど激しい法廷闘争を行うのでしょうか?
世界中の人が1人に1台スマートフォンを持つならば・・・、世界人口が約60億人であることを考えるとこれから莫大な数のスマートフォンが販売されるであろうことが分かります。

そしてスマートフォンの普及はまだまだ始まったばかりです。
今後、先進国そして発展途上国でも普及し始めることを考えるとスマートフォンの覇権を巡り
相手陣営を牽制する訴訟戦略があったとしても理解できます。

さて、この法廷闘争は私たちにとって無関係な話しではありません。
なぜなら繰り広げられるこれらの訴訟には弁護士を含めて相応の費用が必要だからです。
では、これらの費用は最終的に誰が支払っているのでしょうか?
その大部分は消費者が支払うスマートフォンの端末費用です。

もちろん、正当な主張は法廷で証明されるべきですが、法廷闘争が過熱し過ぎた結果として、そのコストが消費者に跳ね返ってくることにならなければ良いと思います。

参考
(1)グーグルによるモトローラ・モビリティ買収、背景に特許戦争(日経コミュニケーション IT PRO)

2011/09/26配信