No.292 [ねじの学び舎]ボルトに潤滑油を塗ると緩みやすくはならないのでしょうか?|ねじJAPANニュース(メールマガジン)|ねじJAPAN

No.292|ねじJAPANニュース(メールマガジン)

このページでは、メールマガジン「ねじJAPANニュース」の過去記事を一部抜粋して紹介しています。掲載されている情報は配信当時のものです。

[ねじの学び舎]ボルトに潤滑油を塗ると緩みやすくはならないのでしょうか?

トヨタ車のリコール問題に関する豊田章男社長のアメリカ公聴会の出席、その後の集会での涙・・・それから約6ヶ月。
米運輸局は電子制御システムに異常は無く、多くがアクセルと間違ってブレーキを踏んだ運転ミスである。
という報告を最近議会に提出しました。
一体、あのトヨタバッシングとも見える大騒動は何だったんでしょうか。
というわけで、今回も「ねじJAPANニュース」をお届けします。

トヨタ急加速は大半運転ミス? 電子制御異常なし 米運輸省調査

ねじの学び舎

質問:ボルトに潤滑油を塗ると緩みやすくはならないのでしょうか?

初歩的な質問にも丁寧にご回答いただけそうなので、投稿します。
よろしくお願いします。
SUSボルトの焼付き防止のために、ボルトに潤滑油を塗ったりしますが、逆に潤滑油を塗ることにより締結部の摩擦係数が低下して、ボルトが緩みやすくはならないのでしょうか?
また、ボルトに油を塗ることによりホコリなどがボルトにつきやすくなって、開閉時に締結部に巻き込まれて弊害を及ぼすことは結構あることなのでしょうか?
参考意見等をいただけると幸いです。よろしくお願いします。

回答

焼き付き防止の為に、潤滑油ではなく、「Mコート」と言うドライフィルムを形成する商品が有ります。
潤滑油であればホコリなどが付着し易いですが、「Mコート」であればドライフィルムの為ほこりなどの付着はありません。

回答

ボルトの緩みには、ボルトの座面と被締結物との摩擦係数と、ボルトと雌ねじのねじ面との摩擦係数が大きくかかわってきます。
ボルトを締め付けた際、ボルトにはボルトをねじる方向の力(せん断力)とボルトの軸方向の力(軸力)の2つが作用しますが、上記の摩擦係数が大きいとせん断力が増え、軸力が低下します。
その結果、見かけ上ボルトが締まっているようにみえても実際はボルトは締まっていない事になります。(軸力がかかっていない)
その結果ボルトは緩み易くなり、緩んだ状態で外力を繰り返し受けるとボルトは早期に疲労破壊してしまいます。
以上の事から摩擦係数を小さくして適正な締付け軸力を確保する事の方が重要であると考えます。
SUS材の一般的な潤滑方法として、モリブデン系のスプレーによって潤滑する方法がありますが、御質問のとおり べた付く事は確かなので、埃等が付着して座面やねじ面に噛み込むことは考えられますが、ボルトを使用されるユーザーさんの管理状態によるところの影響もかかわってくると思います。
この事でトラブルになった例は全く無いとは申しませんが、報告された例は少ないようにおもいます。
別の御回答にも有りましたが、ボルトにコーティングを行って潤滑する方法も良く行われていて、当社でも蓚酸塩被膜系やモリブデン系、テフロン系、樹脂系のコーティングで対応しております。

編集後記

“Google帝国”終焉の始まりか・・・。

★日本最大手SNS mixiで障害が発生
8月10-11日にかけて日本最大手SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)のmixi(ミクシィ)に障害が発生するというトラブルがありました。
日本ではmixiやGREEなどがSNSサイトとして有名ですが、世界最大のSNSとして有名なのはFacebookです。
さて、このFacebookがインターネットのさらなる進化を語る点で欠かせない存在となっています。
「“Google帝国”終焉の始まりか・・・。」
という少々ショッキングなタイトルで、今回はこのFacebookについて取り上げたいと思います。

★Facebookとは?
米ハーバード大学生向けのSNSとしてFacebookは立ち上げられました。
立ち上げ後数週間で学生の半数が登録するほど人気を得、その後全米の大学生向けにサービスを広げていきます。(1)
2006年には全米の高校生に開放、次いで同じ年の9月には一般に開放されました。
現在のユーザー数は5億人!超。
日本人口は約1.2億人。
つまり日本人口の約4倍強のユーザー数になるのです。
また、5億人という数字は、中国そしてインドの人口数に次ぐ数でもあります。
加えて、最近ではFacebookがGoogleを僅差で追い抜きアメリカで最もアクセスされるサイトになりました。(2)
Facebookが、どれほど凄いサイトなのかお分かり頂けたと思います。

★蓄積される個人情報
ところで、このFacebookには日本のSNSと決定的に違う点があります。
それは実名と顔写真の公表です。
それに加えて性別・電話番号・出身校などのプライベート情報を登録し公開することもできます。
このような個人情報がFacebookの今後を語る点で欠かせません。
もし仮にこの個人情報に加え、ユーザーがインターネット上で何を購入し、どのような商品に関心が持ち、どのようなサイトを閲覧しているのか。
このような蓄積データがあればどうでしょうか。
また、SNSサイト内でどのような趣向の人と交友関係を持っているのか分かるとするなら・・・。
さらに、そのデータをFacebook外のサイトが利用できるなら・・・?
まず考えられるのが、今のキーワード検索広告にそのデータを加味するなら今よりも最適な広告表示ができます。
そして、ECサイトではそのデータをベースに最適な商品をお薦めすることができます。
また、訪問ユーザーに対してFacebook内の友人が気に入った商品を薦めることもできます。
「そんなこと・・・・・・・」と思いますか。

★先端のECサイト
実はそのようなサイトが既に存在しています。ジーンズメーカのLevi's。
このサイトには各製品ごとにFacebookの「Like」ボタンがあります。
(「Like」ボタンは日本語では「いいね!」となります)

http://us.levi.com/family/index.jsp?categoryId=3194290&cp=3146842.3146844.3146854

これをクリックすることでFacebook内のマイページでこの商品を気に入ったことが表示されます。
また、ショップサイト内にFRIENDS STOREというコンテンツがあり、その中のFRIENDSカテゴリーでは、自分のFacebook上の友人が気に入った商品が分かるのです。

http://store.levi.com/#store/friends

つまり、製品ごとのFacebookの「Like」ボタンをクリックすることで、特定のFacebookユーザーが、どのような商品に関心が持っているのかというデータがFacebookに蓄積されます。
そして、Facebook外のサイトLevi'sがそのデータを利用しているのです。
Levi's側から見ると「Like」ボタンをクリックしてもらいFacebookのマイページに
「私はLevi'sの○○○○という商品が気に入りました!」
と表示されることで、そのユーザーのマイページを訪問したユーザーをサイトへ誘導することができます。
何と言っても、Facebookはユーザー数5億人、Googleよりアクセス数が多いサイトです。
そのFacebookユーザーに数百~数千回「Like」ボタンをクリックしてもらえれば・・・、Levi'sが「Like」ボタンを設置するのもうなずけます。

★Facebookの次なる一手とは
最後に。
初めは無料でこの情報を提供し、ある程度情報が蓄積されトップの座を固めた後に、Facebookが情報利用に手数料を課金するとしたら・・・。GoogleですらFacebookに利用料を支払わざるを得ないでしょう。
その時、Facebookがネット世界の覇者となるのでしょうか。
Facebookは日本ではあまり普及もせず知名度も低いままです。
しかし世界のWebサービスは、 Facebookを中心に次なる世界へ確実へ動いているように感じます。

参考
(1)Facebookとは - 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
(2)Facebook急成長で風雲急のネット世界

2010/08/16配信