このページでは、メールマガジン「ねじJAPANニュース」の過去記事を一部抜粋して紹介しています。掲載されている情報は配信当時のものです。
遙かかなた約3億Kmも離れた小惑星イトカワの物質サンプルを持ち帰ってきた小惑星探査機「はやぶさ」。
軽量化を追求した結果、「はやぶさ」のねじは全てチタン製になりました。
加工が難しいチタンという素材で最高水準の精密さと、不良が絶対に許されない最高品質が求められた約500本の「ねじ」。
「ねじ」づくりを託されたのは、埼玉県羽生市にある「キットセイコー」という社員数約30人の小さな町工場でした。
「キットセイコー」の歩みがテレビ朝日「奇跡の地球物語」で取り上げられました。(2012年2月19日放送分)
見逃してしまったが悔やまれますが、「はやぶさ」のミッションに「ねじ」づくりが関わっていたことを知ってうれしく感じました。
では、本日もねじJAPANニュースを最後までよろしくお願い致します。
○はやぶさ~夢をかなえたニッポンの技~
「ねじの学び舎」は、ねじJAPAN発行「質問技術相談集」のQ&Aを取り上げるコーナーです。知識向上にお役立てください。
皿バネについて質問があります。
JIS B 1252 に「さらばね座金」、JIS B 2706に「皿ばね」があり、大きさ等が違うようです。
どのように使い分けるのか教えてください。
ちなみに、今は六角穴付ボルト(M4~M8)に「皿ばね」を使用しています。
見た目は似ていますが、字の通り「バネ」と「座金」として使い分けます。
ボルトなどに戻り止めとして使用する場合「皿バネ座金」が適当だと思います。
皿バネはコイルスプリングと用途は同じただの圧縮用バネです。
特徴としては、(コイルスプリング=つる巻きバネにくらべてですが)
・大径に強い。(φ100のコイルスプリングを探すのは大変ですが、規格品で存在します。)
・長さの自由度が大きい。(<><>の様に重ねて使用するため、枚数で長さ調整が容易です)
・バネ定数を変更してより強いバネを作り出せる。(<<>>にすると、倍の強さ!)
・単品でも、コイルスプリングにくらべバネ定数が大きい=強いバネ。
・たわみ代が小さい。(コイルスプリングと比較したときの一番の泣き所です。)
バネによる大きな出力を要求される部分ではよく使用されますが、最近は角形断面を持つ強力なコイルスプリングの登場により、使われる場所が減ってきているようです。
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先回から電子書籍がいよいよ本格的に普及しそうだという話題をご紹介しています。
先回はアマゾンが製造販売する電子書籍端末キンドルの特徴を取り上げました。
今回はアマゾンを含め日本で電子書籍市場が拡大しなかった理由、そして、本格的に普及しそうだと言える理由についてご紹介します。
■電子書籍市場が拡大しなかったワケ
電子書籍が普及しなかった理由はいろいろありますが、その1つは「電子書籍コンテンツが少ない」ことがあげられます。
ここ10年で電子書籍化されたコンテンツは、3~5万タイトルほどしかありません。
欲しい本や新刊が電子書籍でないなら、高いお金を払って電子書籍端末を買う人は少なくなります。
電子書籍端末の保有者が少ないと電子書籍を購入する人も少なくなります。
電子書籍の購入数が少なければ、出版社は電子書籍コンテンツを揃えるのに及び腰になるという負のサイクルに陥ります。
■書籍の電子化は意外と難しい!
書籍の電子化というと簡単にできそうなイメージもありますが、コストと人手という大きな負担が出版社に求められます。
新刊の場合、入稿はデジタルデータでも最終調整や仕上げは手作業のため、電子化には入稿デジタルデータの修正・調整作業が必要です。
簡単な電子化でも外注コストは5万円ほどで、スマートフォン対応の場合は3~4倍になります。(1)
旧刊の場合はデジタルデータ自体がないため、書籍のスキャン、テキストおこし、誤字脱字のチェックという気の遠くなる作業を乗り越えなければなりません。
コストは10~20万円。(1)
1,000タイトルの旧刊を電子化するコストは1~2億です。
■電子化の人手とコストを負担する「出版デジタル機構」とは?
これまであげた理由のため書籍の電子化が進まない現状を打破する新しい取り組みがスタートしました。
それは、「出版デジタル機構」です。
「出版デジタル機構」は、大手の印刷会社や出版社から20億円、産業革新機構から150億円の出資で設立されました。
出版デジタル機構は、出版社から書籍の電子化業務を引き受けます。
さらに電子化に伴うコストは、この機構がいったん立替え、電子版の売上収益で回収(相殺)するシステムになっています。(2)
つまり、コストと人手の負担を機構が背負い、電子化を一気に推し進める狙いです。
加えて、経済産業省の「コンテンツ緊急電子化事業」制度を活用すれば、電子化費用の半額を国が補助するという後押しまで用意されています。(3)
ここまで至れり尽くせりのサポートがあれば、出版デジタル機構が掲げている1年目で6万タイトル、5~6年で100万タイトルを書籍化するという話も現実味があります。
■電子書籍時代の幕開けは近い!
さて、2回にわたり電子書籍についてご紹介してきました。
アメリカと比べ電子書籍市場が立ち遅れていた日本も、「出版デジタル機構」、「コンテンツ緊急電子化事業」と電子書籍を後押しする制度が整いつつあります。
電子書籍時代の幕開けは、もうそこまで来ているようです。
参考
(1)出版デジタル機構発足、動くか“電子書籍後発国” アマゾン「キンドル」との複雑な関係
(2)株式会社出版デジタル機構
(3)コンテンツ緊急電子化事業特設サイト
2012/06/18配信