No.310 [ねじの学び舎]精密機器用なべ小ねじの座金付は?|ねじJAPANニュース(メールマガジン)|ねじJAPAN

No.310|ねじJAPANニュース(メールマガジン)

このページでは、メールマガジン「ねじJAPANニュース」の過去記事を一部抜粋して紹介しています。掲載されている情報は配信当時のものです。

[ねじの学び舎]精密機器用なべ小ねじの座金付は?

生存率99.8%
この数字は東日本震災における岩手県釜石市内小中学生の生存率です。
「想定外」と大人たちが表現する今回の震災において子供たちは「想定外」の津波からどのように逃れたのでしょうか?
これから自然災害に向きあう点で考えさせる内容が次のの記事で紹介されていました。

小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない-「想定外」を生き抜く力(WEDGE Infinity)

ねじの学び舎

「ねじの学び舎」は、ねじJAPAN発行「質問技術相談集」のQ&Aを取り上げるコーナーです。知識向上にお役立てください。

質問:精密機器用なべ小ねじの座金付は?

JCIS 精密機器用なべ小ねじの座金付(平座金)のねじは世の中に存在するのでしょうか?(1種 M2)JCISでなくても相当の頭形状であれば可ですが。
ご存知の方ご教示ください。

回答

精密機器用、いわゆる0番ネジの座がついたもの。
これは座金を組み込んだ「セムス」でしょうか?
それとも座がついているもの「座付」でしょうか?
セムスに関しては市場に流通していると思います。
座付は確かにあまり見かけませんが製作は特に問題はないはずです。
ちなみにM1.7でしたらサンプルございます。

編集後記

※今回のコラムは3月14日号からの続編をご紹介します。

スマートフォンがもたらす携帯電話メーカーの危機 後編 その2

★スマートフォンがもたらす携帯電話メーカーの危機 振り返り
先回から少し時間が空きましたので、これまでの内容を振り返ってみたいと思います。
スマートフォンの普及は携帯業界に次のような変化を与えることが予想されています。

・NTT、AUなどの専用端末機器から世界共通の携帯向けOSアンドロイドが搭載される。
・OSが世界共通仕様になることにより、海外の携帯電話メーカーの参入障壁が低くなる。
・OSが共通化されることにより機能の差別化が難しくなる。
・おサイフケータイ、ワンセグの利用率は低いため、絶対的な差別化の切り口とはならない。

さて、現在でも海外メーカーの参入障壁が低くなることで、これまであまり販売されていなかった韓国Samsung社や台湾HTC社のスマートフォンを店頭で見かけるようになりました。
さて、今回はスマートフォン市場における国内と海外メーカーのコスト競争力についてご紹介したいと思います。

★400万台 対 3,800万台
日本経済新聞2011年2月21日に次のような記事がありました。
>NEC,カシオ計算機,日立製作所の携帯電話部門を統合した>NECカシオモバイルコミュニケーションズは>年内にも国内で発売するスマートフォンなどを海外に投入。
>12年度の海外出荷を10年度比4倍の400万台にする計画。

では、世界ではどれくらいのスマートフォンが販売されているのでしょうか。
なんと2010年第4四半期に世界のスマートフォン出荷台数はパソコンの出荷台数を超え1億台の大台に達しました。
上位は次のとおりです。(1)
・Nokia  (2,830万台)
・Apple  (1,620万台)
・Research In Motion  (1,460万台)
・Samsung  (970万台)
・HTC  (860万台)

この数字は四半期の販売台数ですので、年間出荷台数はおおよそ4倍になります。
日本でも人気機種のスマートフォン「Glaxy s」を販売している韓国Samsung社と比較してみましょう。
韓国Samsung社は970万台 × 4 = 3,880万台/年になります。
対するNECカシオモバイルコミュニケーションズは、先ほど触れたように12年度つまり来年度の目標が400万台。
400万台 対 3,800万台つまり、販売台数を単純に比較すると現状で10倍近い開きがあることがわかります。
1台で回収できる商品開発費や構成部品の購買力というコスト面で海外メーカーは一足も二足も先を走っているようです。

★国内より海外
さて、このようにスマートフォンの普及は、コスト競争力に優れた海外メーカーの参入を促すことになり、国内メーカーの立場を苦しくする可能性がわかります。
国内メーカーはどうなるのでしょうか。

将来の携帯電話メーカーの姿と重なってしまうニュースがありました。
それは、国内パソコン最大手のNECが中国パソコン最大手のレノボグループと提携したこと。
NECは国内最大手でも海外シェアが低いため、単価下落にともなうコスト競争に勝つ体力をつけることを狙いレノボグループとの提携に踏み切ったと見られています。(2)

つまり、パソコン市場において大事なのは、国内シェアより世界シェアだったと言えます。
アンドロイドという世界共通の携帯向けOSの普及は、世界共通のOS・Windowsがあるパソコン市場とスマートフォン市場を似通ったものにするかもしれません。

そうなると国内の携帯電話メーカーが生き残る道は、「国内でスマートフォンをどれだけ売れるか」というより、「世界でどれだけスマートフォンを売れるか」という視点ではないでしょうか。

参考
(1)スマートフォン市場急成長 出荷台数がPC超える (ITmedia)
(2)NEC・レノボ合弁、国内PC業界の盟主を提携に駆り立てる背景(日経ITPro)

2011/04/25配信