No.304 [ねじの学び舎]全ネジボルトと呼び径ボルトのせん断について|ねじJAPANニュース(メールマガジン)|ねじJAPAN

No.304|ねじJAPANニュース(メールマガジン)

このページでは、メールマガジン「ねじJAPANニュース」の過去記事を一部抜粋して紹介しています。掲載されている情報は配信当時のものです。

[ねじの学び舎]全ネジボルトと呼び径ボルトのせん断について

「グルーポン」のCMをテレビで見るようになりました。
グルーポンとは以前メルマガで紹介したとおり割引クーポンの共同購入サービスです。
しかし、注文した「おせち」が商品内容が写真と異なる、配送遅延するなど年始からグルーポンに関する騒動が続いています。

実はグルーポン以外の同様のサービスでもユーザとのトラブルが生じているようです。
便利で面白いサービスだけにトラブルで有名になることは避けて欲しいものです。
というわけで、ねじJAPANニュースをお届けします。

急成長のグルーポンに落とし穴 おせち料理にクレーム、独禁法問題(日経BP)

ねじの学び舎

「ねじの学び舎」は、ねじJAPAN発行「質問技術相談集」のQ&Aを取り上げるコーナーです。知識向上にお役立てください。

質問:全ネジボルトと呼び径ボルトのせん断について

先日、先方よりせん断力の掛かる部位については全ネジボルトを使用してはならない。呼び径ボルトを使うようにとの指示がありました。
全ネジボルトを使用したときと、呼び径ボルトを使用した場合を比べたときどのような差があるでしょうか?

全ネジの場合そのネジの谷間にせん断応力が悪影響し破断すると考えられるでしょうか?又は特に影響はないのでしょうか?
実験値等資料がありますと非常に助かります。ちなみに使用するボルトはSUS M6x25です。

回答

剪断力が掛かるところには、「ネジ部が掛かってはいけない」と、先方さんは言っておられると思いますので、問題になることを整理すれば、下記が考えられると思います。
1.ネジ部の疲労耐力: いくら転造でも応力集中は生じる。
2.応力に対する、変形量: 応力によっては、ネジ部の変形が増加する。
3.応力を伝えるべき、ボルトの有効面積の低下: 山径と谷径の違い。
4.素材への面圧の増加: 山で接触するため。
使われる場面が想定できませんので、具体的に書けませんが、これらを参考にして下さい。
尚建築関係は、剪断力が作用する場所には、高力ボルトを使用するようにとの規定が、有ります。

編集後記

OS Windowsが不要な時代が来るのか?[続編]

★パソコンは今よりもっと安くなる?
ChromeOSがもたらすであろう変化の1つ。
それはパソコンの低価格化です。
多くのパソコンに搭載されているOSのWindowsは、Microsoftとライセンス契約しなければ、Windowsパソコンを製造販売することはできません。
当然、店頭販売されているパソコンの販売価格にはWindowsへ支払われるライセンス料が含まれています。

対するChromeOSはオープンソースです。
つまり、ChromeOSパソコンを製造販売するためにChromeOS開発社のGoogleへライセンス料を支払う必要はありません。
これに加え、Googleとライセンス契約も結ぶ必要はありません。
これは、パソコン市場にある変化を生じさせる可能性があります。
つまり、Windowsのライセンス契約が壁となりWindowsパソコンを製造販売していなかったメーカがパソコン市場への新規参入してくるかもしれないということです。

先進国で設計、製造はアジアの工場へ委託する新規参入企業が登場する可能性が広がります。
また別の点として、パソコン自体の製造原価が下がる可能性もあります。
なぜなら、ChromeOSはブラウザベースのOSのため、Windowsのような高スペックの性能は不要だからです。
そのため、ChromeOSのパソコンはWindowsパソコンより低機能、低価格のパーツで製造が可能です。

つまり、ChromeOSは、オープンソースであるために、
・ Windowsに支払っているライセンス料が不要になること
・ パソコンの要求性能が低機能になること
・ 新規参入メーカー登場による競争が生じること
が予想されます。
これらのことを考えると、初めに紹介したように、ChromeOSはWindowsパソコンより低価格な商品となる可能性は十分にある訳です。

★GoogleがChromeOSを開発するねらいとは?
さて、ここまで紹介すると、なぜGoogleがChromeOSを開発するのか疑問に感じるかもしれません。
一般的には、Googleの検索結果画面に表示される広告収入の増加が目的と言われています。

さて、Googleは既に多くの国で検索エンジンシェアの1位を占めています。
例えば、日本ではYahoo!が検索エンジンシェアの1位でした。
しかし昨年、Yahoo!が検索エンジンシステムをGoogle社に切り替えることを発表しました。
そのため、日本では検索エンジンシェアの9割以上が実質Google社の検索エンジンという実情になっています。

このようにトップシェアの中、Googleが広告収入を増加させるには次の二つの方法が考えられます。
1.一人の人がする検索回数を増加させる。
2.インターネット普及率が低い国の人々がネットで検索するようになる。

1.については、GoogleはAndroidという携帯用OSを開発しています。
それにより、自宅でパソコンに向かっている時だけではなく、外出時でもスマートフォン経由でGoogle検索を身近に利用できる環境が普及しつつあります。

2.については、どうでしょうか?
さきほど紹介したように、ChromeOSはパソコンの低価格化を後押しします。
つまり、発展途上国の人にとって、高価なWindowsパソコンではなく、低価格なChromeOSパソコンはインターネットを利用する点で大きな後押しする大きな要素となり得ます。

そして、まだインターネットを利用していない国の人々が、Googleで検索するようになれば、当然、Googleは広告収入をまだまだ成長させることが可能となるわけです。
もちろん、先回ご紹介したとおり、ChromeOSはWebアプリケーションを普及させる点でも貢献することは間違いありません。

★ChromeOSはもうすぐ登場!
さて、2回にわたってChromeOSについて紹介しました。
ChromeOS搭載のパソコンは今年中にも発売されるようです。
このパソコンは普及するのでしょうか?
これまでのパソコンの使い方を変える商品へ成長するのでしょうか?
それとも、パソコンが好きなマニアユーザーだけが持つ少し変わった商品で終わるのでしょうか?
数年後にはその答えが見えていることでしょう。

2011/01/31配信